足場資材の種類
■足場資材の種類等について
■建設現場になくてはならない足場。
この足場材にも様々な種類があります。
- ■代表的な資材をあげてみます。
○ビデー(枠組み足場)
枠組足場と言われるもので、正確には、発案者の名前から「ビティ」が正確な名称のようですが、日本人には発音しにくい・言いにくい呼び方?なので、まあ、ほとんどの方が「ビデー」と呼んでいるのではないでしょうか。
枠組と名が付くように、門型の枠の建地があり、それにブレス(筋交い)・アンチ(鋼製の布板)等を組み合わせて、足場が出来上がります。
1段目(1層目)を決めれば、その上の組み立ては容易。幅が広い枠もあるので、中高層建築にも広く利用されてきました。
どちらかというと、対象物の形が単純なものに向く資材ともいえます。
○丸太足場
その名の通り、木の丸太を使った足場です。
もう、ほとんど見なくなりましたが、昔はこの丸太で組んだ足場も多かったです。
古くは奈良時代から、昭和にかけて使われてきました。
番線という、焼きなましされた鉄線をしばって組み立てて行きます。
(番線は、正確には鉄線の太さの番数を示す事から来ている名称ですが、単に番線とほとんどの方が呼んでいます。なお、古い時代は縄を使っていました。)
敢行が容易で、色んな工夫ができ、狭いところも組みやすい。
木の材料ですから、鋸で切ったりしての敢行も可能です。
資材が棒状の物のみであることも、あっさりしている利点があります。
以前は、線路の近くで足場工事を行う時は、鋼製の資材ではなく、丸太を使うようにしていました。
電気等の兼ね合いなのかもしれませんね。
また、重要な木造建築物のある京都のお寺等の改修工事等では、未だに丸太も使われているようです。
現在の若い鳶さんでは、経験がない方がほとんどでしょうから丸太は扱えないでしょう。
○単管足場
48.6φの鋼管パイプを「クランプ(直交・自在)」や「単管ジョイント(C型ボンジョイント、マルチジョイント、直線ジョイント等)」という連結資材を使って組み立てる足場資材です。
これに、ブラケットという腕木の資材を付けて、そこに足場板を載せて組みます。
枠組と違い、様々な敢行がし易い資材です。クランプやブラケット等を取り付ける位置等は自由に敢行ができ、足元に何か邪魔なものがあったとしても、微妙にずらしたり等ができます。高さも任意で変えられます。
枠組みと併用して使ったりします。
キチンとガチガチに組むと、意外にも?かなりしっかりした足場となります。
○クサビ式・打ち込み式足場
鋼管にイボ、あるいは鍔等が付いており、それにクサビを打ち込んで組んで行く資材です。
クサビが別で付いているものや、手摺材やブラケット材自体にクサビ状の形状のものが形成されており、それを打ち込んで組んだりする資材があります。
近年、急速に普及してきた資材です。
部分的な取り外しがセットハンマーひとつででき、専門の人間ではなくともちょっとしたことなら容易に取り外し等ができる利点があります。
また、この資材も、下を決めるとその上の組み立ては早くできます。
単管ブラケット足場などでは、足場板が重なりますが、この資材はアンチを使うので、段差を最小限に抑えられます。
トラックへの積み込み・積載は、イボ・鍔・クサビ等がある資材ですので、かさばりやすく、細かな部材が多い。また、それ故に積載量も半端ではない状態に陥ってしまう場合もある資材ではあります。
この資材のメーカー系の営業(それに絡んだ足場屋さんの経営者等)が、非常に安い単価と、それまでとは違う平米数の計り方を巧みにアピールして仕事を取りまくった経緯から、物凄いスピードで普及してきました。
昔ながらの鳶さんが嫌っている資材でもありますが、確かによく考えられた便利な資材ではあります。
大雑把に代表的な足場資材を紹介しました。
それぞれに、利点・欠点等、その材料なりの特徴がありますので、用途に合わせて使います。
なお、クサビ式足場のことを「ビケ足場」というものだと思っている方がこの業界にもけっこう多いのですが、それは間違いであり、あるひとつの会社の「商品名」なだけで、「資材名」ではありません。
商品名としては他にも、「キャッチャー」「モノシステム」「ヘイワビルダー」等々、各々の資材メーカーが、「クサビ式・打ち込み式」の似たような足場を販売しています。
また、さらにこれも勘違いしている人が多いですが、ビケ足場をピケ足場と言い間違えている方々もけっこういます。
「PI」ではなく、「BI」が正解です。