マイホーム成功ナビ!全国の工務店・職人さん・建築士(建築家)検索サイト

職人の仕事

FrontPage

職人の仕事

■職人の世界の昨今

  • 職人さんの職種は多岐にわたり、ありとあらゆる仕事(業種)があります。
    特に近年は分業が進んでいますので、専門に特化した傾向にあります。
  • 地方によっては、「基礎、建前、えつり・土壁塗り、足場、犬走りや駐車場等のコンクリート土間打ち、ブロック積」 等(あるいは、その中の数種)を総合して請け負う業種の方たちなどもいました。
    もう、ほとんどいなくなりましたが…
  • このような方たち、あるいは、このような職種を「ひよ方」さんなどとも呼んでいました。
    (あるいは、この中の特に左官業に近い職種を総合して請け負う方たちの事を指して「ひよ方」さんという場合もあります)
  • 大工さんの世界も近年かなり様変わりしてきました。
    特にプレカット技術が進歩・普及してきましたので、昔は大工さんが手刻みで柱や梁等の様々な材を墨つけ・きざんでいましたが、近年はプレカット工場にて機械でプログラミングし、あっという間に出来上がってしまいます。
  • 田舎普請の和風住宅等では、今でも熟練の大工さんが刻んでいますが、普通の一般住宅や洋風の住宅ではほとんどがプレカットです。
    スピードが優先される昨今の御時世ゆえに、当然の如く生まれた機械工作技術であり、革新なのでしょう。
  • また、集成材の普及も近年急速に進んできたことのひとつです。
  • 近年、その集成材も接着剤が改良され規格が厳しくなりました。
    ラミナ(木部)の乾燥状態や接着面の凹凸、圧締時間、流通・保管の段階での湿潤状態など、管理に徹底が必要ですし、剥離などに関してまだ検証が必要であると思いますが、普及してきて多少の年月が経ち、業者側の立場から見てもある程度の安心感は広がっているようです。

■大切な職人の技術の継承

  • 便利な機械・器具・道具や世の中の変化と風潮等から、職人の世界も大きく変わってきました。
  • 全体的な技術は明らかに落ちてきているといえるでしょう。
    もちろん、いつの時代でも優秀な方々はいますが、全体で見れば技術的なことのみならず、職人気質が発揮できない、あるいはそれが維持できないような世の中・時代となってきていることは否めません。
  • 今の時代では、技術、並びに職人の心意気と精神を次の世代に継承させる土壌が徐々になくなってきています。


なぜ親方は若い衆を叱り怒るのか?(職人の教育)

  • 職人の世界は、ある意味完全な実力の世界であり、特殊な職業と言えるのかも知れません。
    能力があれば他の人から一目置かれるようになるのはどの世界でもいっしょかもしれませんが、その評価がサラリーマンの世界以上にハッキリとダイレクトに表れる職業であるといえます。
  • 守ってくれるのは自分だけです。ケガは当然自分持ち。保障もボーナスもありません。
    コネなども職人の会社内の立ち位置に関係ありません。たとえ親方の息子だろうが、実力がなければケチョンケチョンです。
  • 一人前の職人に成長させるためには、親方も若い衆を対等に扱わなければならない場合も多いです。
  • この意味での対等に扱うとは、自分のレベルと同じ目線で若い衆を扱うということです。
    まだ、経験が浅く半人前だから「この程度で許される」などということはないのです。
  • お施主さんに半人前の仕事を提供するわけには行きませんし、それは許されません。常に真剣勝負が職人魂です。
    ですので親方のタイプ、あるいは職種によっては、とても厳しい親方もいます。
  • また、仕事にはやはり向き不向きがあります。
    他人からみれば厳し過ぎるのではないかと思われる親方の教育に耐えてきた人は、近い将来「ものに」なる場合が多い。
  • すぐに口答えや反論をする人間には職人は向きません。
    そのような口答えするタイプが人間関係の問題でこじれる云々を言っているのではありません。
    まあ、実際にはそれもあるでしょうが、それ以前にそのような人物が一人前になる可能性は極めて低いからです。単純に向かないのです。
  • 一人前の職人ならばなにか言われて一過言する時はあります。しかし、半人前の場合は怒られて当然ですし、たとえそれが理不尽なお叱りだったとしても、それに耐え、能力がまだ未熟だということが心底嫌で恥ずかしいと思う人間、その思い(想い)のほうが優先する人間が後に立派な職人と成長するのです。
  • 口答えやすぐに反論する人間は、そのような職人の能力向上に対する想いやプライドよりも、単に自分自身へのプライドのほうが優先しています。
    職人として半人前なのが恥ずかしいと思うことよりも、自尊心を傷つけられる恥ずかしさ・悔しさのほうが勝っているのです。
  • 一人前の職人の自尊心も非常に強いです。しかしそれは仕事そのものに対するキャリアに裏打ちされた「仕事に対する」自尊心です。
    単に自分自身への自尊心とはまったく違う種類のものです。




  • 職人の親方になるタイプは、ある意味特殊なタイプの人の場合が多いといえるかもしれません。
    親方ということは経営者でもあるわけですが、性格が不器用な職人の親方は経営者としては失格である場合も多いです。
  • 要領がよく経営に長けている社長さんなどは、そのようなタイプの親方のように無下に従業員をこき下ろしたりはしません。
  • しかし、そのようなタイプの親方は従業員を一人前の職人に育て上げることに本当に真剣なのです。
    心底真剣だから腹も立つ。
  • 要領が悪いから一代で終わってしまう不器用な?親方も少なくはありません。
    しかし、不思議とそのような親方の下で育った職人さんは優秀な方が多いし、あるいは、言い方を変えれば「モノになった」方も多い。
  • 通常の会社では、上記の要領がよく経営にも長けている社長さんの方が社員からの人望も厚く、会社も末永く存続させることができ、沢山の優秀なブレーンと助けてくれる人脈を築き、会社も大きく成長させることでしょう。
  • ですが、職人の世界と職人の親方は、また違った要素が望まれるのではないでしょうか。
    まことに職人の世界は不思議で特殊な世界なわけです。

  • また、親方が叱るもうひとつの理由は「安全」を考えてのこともあります。
  • ケガは自分持ち。トロくさい事や考えなしのことをしていれば、ケガもしやすい。
    仕事の内容によっては重傷を負う場合もありますし、高所作業などは命を失うことさえあります。
    下手にやさしく甘やかしていれば、後で本人が取り返しの付かない事故にあうかもしれません。
  • 危険度が高い仕事をする職種の親方ほどそこらへんは厳しい。
    鳶職の世界が一見すると粗野で荒々しいイメージがあるのも当然でしょう。
    そうならないと危険すぎてやっていけない、あるいはそんなタイプの人間じゃないととても務まらない、常に気を張らないとできない危険且つ重労働な仕事というものもあるのです。
  • 最近は業界全体が安全に厳しくなり、鳶さんの仕事も昔と若干変わってきました。
    しかし、他の職種の職人と違い、年配の鳶職人さんは現在も非常に少ないです。年寄りの職人にはできない、肉体的に非常にキツイ仕事で危険度の高い仕事であるのには変わりがありません。



職人の技術と知恵、気質等は文化であり、大切に守って行かなければならないものです。業界の人間以外の人々にも、この文化の大切さを理解してもらわなければ、大切な日本の財産を失ってしまうことになります。

powered by Quick Homepage Maker 4.77
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional

カンジダ