なぜ登記は必要?
■なぜ登記は必要?
- 不動産の権利は売買をはじめ相続や贈与弁済など様々な利害関係に重大な影響をおよぼします。
当事者だけでなく第三者への影響もおよぼし、権利の変動等がきちんと分かり且つ安心できる信用が必要です。
そのためにこの登記の制度が作られたのは必然だったのでしょう。
- 表題部に登記する表示の登記だけでは第三者に対抗できません。
そのため甲区に所有権の保存の登記をし、乙区に所有権以外の登記(抵当権設定の登記)をします。
抵当権設定の登記のための乙区の登記をするためには、甲区の登記がなされていなければならず、甲区の登記をするためには表題部の登記がなされていなければなりません。
- なお、民法(総則)では、詐欺(だまされた)による意思表示は善意の第三者に対抗できません。
強迫(おどされた)による意思表示は善意の第三者に対抗できるとしています。
詐欺の場合はだまされた方にも少なからず瑕疵があるとみなされているという事なのでしょう。
- では勘違いや思い違いで意思表示してしまった場合はどうでしょうか?
例えば、坪100万円で売買したかったのに坪10万円と勘違いして売る契約(意思表示)をしてしまった場合などです。
この場合は10倍もの金額の違いが生じてしまっています。
- 売買の時の金額は重要な事柄で法律行為でこのような重要な部分を「要素」と言います。
法律(民法)ではこの「要素の錯誤」は無効であるとしています。
(勘違いや思い違いのことを民法では「錯誤(さくご)」と言います。)
- しかし当事者同士では要素の錯誤は無効になりますが、善意の第三者に対抗するにはむずかしいと考えた方が良いでしょう。
他人事ではありません。人はたまに「どうしてこんなうっかりをしてしまったのだろう」と自分でも理解できないようなミスをしてしまう事があります。重大な契約や物事をきめる時は、慎重且つ気を張って臨まなければならないでしょう。